{{category novel,九龍妖魔学園紀,nolink}} !!スパイス  葉佩九龍は、じっと皆守甲太郎を見つめていた。いつものように、アロマをふかしている皆守は、眉をよせた。なんだか、葉佩の視線が獲物を狙っているように見えたからだった。  いったい何なんだと問おうとした瞬間、金属製のパイプが唇から消えていた。  ぽかんとする皆守に対し、得意げに笑った後、葉佩はパイプをくわえた。 「……返せよ」  一時の驚きから立ち直り、皆守はそう要求した。だが、葉佩はにやにやと笑ったまま、パイプをくわえている。いよいよ、皆守の眉間のしわがふかくなった。そして。 「……九ちゃん」  実力行使から、葉佩はこともなく身をかわす。 「何なんだ、オマエは」 「別に」  葉佩は、パイプを唇からはずして笑った。そして、すばやく皆守に近づく。 「……っ……!」  ほんの少し皆守はもがいた。驚きの表現程度だった。ゆっくりと皆守の口中を味わってから、葉佩は身体を離した。ぺろりと唇を舐めて問う。 「どっちが美味しい?」  アロマの香りは、と。 「……アロマパイプだ」  というか、香りなんかあるかと言って、皆守はアロマパイプに手を伸ばす。  返せよという言葉に対し、葉佩はアロマパイプを皆守から遠ざけた。